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温泉旅館 客室デザイン

2008

人間の空間認識は総合的な感覚に基づくものです。

その総合的な感覚、言い換えれば、様々な感覚の相互作用としての感覚の一つが「時間の感覚」だと言えます。

建築は「凍れる音楽」だと言われますが、それは建築も音楽も、共に人間を包み込み、全身に働きかけるものでありながら、

建築には動き、つまりそのものには時間的変化がないために、そのように言われるのだと思います。

しかし、温泉旅館は建築でありながら、時間の感覚と深く関わるもののように思えます。


旅館への滞在は、多くが一時的なものであり、宿泊者は去るときが来ることを常に意識して、
時間を過ごすこととなります。

 

音楽もまた、どんなに美しくとも、消えゆくものであり、終わりがあります。

この部屋で過ごすひとときが、音楽のように終わりがあるものだとしても、

美しい記憶として残るようなデザインにならないかと考えました。

(九州温泉旅館客室コンペティション 2008 in 大川 入選作品)

計画地 / 九州

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